令和2年分住宅ローン控除の確定申告、すまい給付金を受給した場合の処理方法

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令和2年分で住宅ローン控除初年度の確定申告をする方は
多いと思います。そのときのちょっとした注意点です。

すまい給付金とは?

すまい給付金とは、住宅を購入した人が国から現金を
もらえる制度です。消費税率10%が適用される新築・中古住宅の
取得で令和3年12月末までにその引き渡しを受け、入居した方が
住まい給付金をもらえる対象者になります。
このすまい給付金、いくらもらえるかは住宅購入者の収入金額
などにより変わり、最大50万円もらえます。

ちなみに、消費税率10%が適用される新築・中古住宅の取得が
この給付金を受け取れる対象となるので、個人間売買で購入した
中古住宅は住宅部分に消費税の10%が取得対価に含まれていない
ので対象外になります。
対象となるのは、宅地建物取引業者(不動産会社など)から買った
住宅です。

その他にも色々あるので、国土交通省のすまい給付金サイトのリンクを
貼り付けておきますので確認していただければ。

国土交通省 すまい給付金

すまい給付金、確定申告での取り扱い

一時所得になる

受給した年の一時所得になります。
令和2年に受給したのならその年の一時所得です。
ただし注意点があり、すまい給付金の補助金決定通知書が
ご自宅に届いたのが令和2年、実際に受給したのが令和3年であれば
令和2年の一時所得になります。
所得税法基本通達36−13にそのことが書かれています。

この一時所得ですが50万円の特別控除があるので、令和2年の一時所得の
合計金額が50万円以下であれば、それに対する税金は出ないので
所得税確定申告に含める必要はありません。

ただし、令和2年はGo To キャンペーン(トラベル、イート、地域共通券)
でのお得分、主たる収入を給与所得で確定申告している個人事業者が
受給した持続化給付金も一時所得になってしまうので、
それらでお得した、受給したのであれば注意していただきたい。

このへんについては以前のブログで書いているので、リンクを貼っときます。
参考にしていただければ。

住宅ローン控除の計算で家屋の取得対価からマイナスする

前提
・令和2年に新築建売住宅を購入
(一般住宅としての住宅ローン控除を受けられる要件を満たしている)
・購入金額は5,000万円(土地3,750万円、家屋1,250万円)
・令和2年にすまい給付金を20万円受給した
・全額ローンでの購入で住宅借入金等の年末残高は4,988.5万円

住宅借入金等告別控除額の計算明細書の一面は、
こんな感じになります。

上の計算明細書、
2.新築又は購入した家屋等に係る事項の「家屋に係る事項」、
「交付を受ける補助金等の額㋩」にすまい給付金20万円を記載して
家屋の取得対価の額からマイナスします(上図、青囲い部分)。
ですので20万円マイナスした1,230万円が家屋の取得対価の額と
なります。

一般住宅の住宅ローン控除額の計算は、
① 住宅借入金等の令和2年年末残高
 (金融機関から発行される住宅借入金の残高証明書の年末残高)
② 住宅(土地、建物)の取得等の金額
③ ①と②のうち、少ない金額×1%=住宅ローン控除額(40万円が限度)
となります。所得税から引ききれない場合は、住民税からマイナス
されます。

今回の例だと、
① 住宅借入金等の令和2年年末残高 4,988.5万円
② 住宅(土地、建物)の取得等の金額 4,980万円
③ 4,988.5万円>4,980万円 ∴4,980万円
  4,980万円>4,000万円 ∴4,000万円
  4,000万円×1%=40万円
となります。40万円が還付の対象金額になります。
※③の4,900万円と4,000万円の比較は、一般住宅の限度額が
 40万円なので40万円÷1%=4,000万円と比較するという意味

今回の例の一般住宅ですと、すまい給付金をもらっても
住宅ローン控除での還付額の限度は変わらない、ということになります。
住宅ローン控除の確定申告ですまい給付金の影響を受け還付金が
減るケースとしては、4,000万円未満の住宅を購入した場合(全額ローン
で購入)のこの控除を受ける1年目ぐらいでしょうか。
2年目以降は住宅の取得等の金額よりも年末ローン残高の方が
少なるなる可能性大なので、すまい給付金を受給しなかった場合と
結果は変わらなくなるでしょう。

お問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。

おわりに

すまい給付金、レアケースではありますが、
一時所得として課税され、さらにローン控除の限度額が
減少してしまう場合、二重課税的に感じてしまうのは
私だけでしょうか。

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