会社の社長・役員に対する給与

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

会社の社長・役員に対する給与は役員報酬と呼ばれています。
役員報酬とは社長・役員などの経営者に対する報酬です。
従業員の給与と何が違うのでしょうか?
役員報酬はその決定に社長・役員自身が関与することから脱税に
使われる可能性があるため、会社の費用とすることに制限があります。
例えば毎月の報酬は、当期が第5期であれば、その5期中は基本同じ額で
なければいけません。賞与については税務署に対し社長に賞与を支給
しますよという届出書を提出しなければいけません。
支給時にその届出書に書いた年月日に届出た金額を支給しなければ
会社の費用とはなりません。

毎月の給料(定期同額給与)

社長・役員に対する毎月の給料は、定期同額給与と呼ばれるものに
該当しなければ、該当しない部分は会社の費用にはなりません。
定期同額給与とは、「その支給時期が1月以下の一定期間ごとである
給与(定期給与)でその期の各支給時期における支給額が同額である
給与」です。社長の給与を100万円と決めたら、その期は毎月100万円を
支給しないといけないということです。
例えば今月は売上がよかったから社長の給与を150万円支給してしまうと
150万円ー100万円=50万円はその期の会社の費用にはなりません。

ただ、改定が認められるケースもあります。そのケースとして
①3月改定(その期の開始の日から3月を経過する日までにされた
     定期給与の改定)
②臨時改定(取締役から専務になっとことなどによる仕事をする上での
     地位の変更によるもの)
③業績悪化改定(会社の経営が著しく悪化して社長の給与を払えないなど)

①の3月改定については、例えば3月31日が決算の会社だと4月1日から
新たな期となります。前期の決算が固まるのが新たな期になってから
のケースがほとんどだと思うので6月30日までに株主総会などで改定を
決議し翌月分から変更とういことが認められています。
この3月改定を使い社長・役員に対する毎月の報酬を改定するケースは
非常に多いと思います。

賞与(事前確定届出給与)

社長・役員に対する賞与は、事前確定届出給与と呼ばれるものに該当
しなければ費用にはなりません。
事前確定届出給与とは、「その役員の職務につき所定の時期に確定額を
支給する旨の定めに基づいて支給する給与(定期同額給与などは除く)で
税務署に一定の届出をしているもの」のことをいいます。

社長・役員に対する賞与を会社の経費にするには、
①届出書には届出期限がありますが、その届出期限までに届出書を
 税務署に提出すること
②届出た年月日・支給額をその通りに支給すること

例えば12月10日に社長に対して200万円の賞与を支給する届出を税務署に
適正に提出したとして、業績がよかったからといって300万円を支給して
しまうとその300万円全額が会社の費用にはなりません。恐ろしいですね。

個人的には賞与はオススメしません。税務リスクがあるからです。
賞与でと考えていた金額を12分割して毎月の報酬に含めてしまう方が
いいかなと思います。

使用人兼務役員に対する給与

使用人兼務役員とは、役員のうち使用人(部長、課長など)の職制上の
地位を有し、かつ、常時使用人として仕事をしている人のことをいいます。
会社の代表取締役(社長)・専務・常務・監査役などは使用人兼務役員
にはなれません。ほかにも会社の株をたくさん持っていてなれないケースも
あります。
会社の役員として登記されている人で、経営に関与せず部長・課長などの
仕事しかしていないケースもあるかと思います。
そのようなケースではその人に対する給与は役員報酬ではなく、
全額使用人(従業員)の給与で問題ないと思います。
役員として会社の経営の仕事と使用人(従業員)の仕事両方行っていれば
給与を役員分と使用人分とに分けなければいけません。

おわりに

会社の社長・役員に対する給与には様々な制限があります。
前期の実績・これからの業績予測からこれらを決めると思いますが
何となくこれぐらい、ということでなくしっかりとした根拠を基に
決めないといけないと思います。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする