税理士試験も終わり、受験された方は12月の結果待ちですね。
合格して税理士有資格者となる、その後税理士登録をすれば
世間のあなたを見る目は変わります。
苦労して税理士資格を取得して税理士登録しても、
やらかしてしまえば懲戒処分となってしまいます。
どういう行為をしたら懲戒処分になるのか?
しっかり勉強する必要があると思います。
税理士の懲戒処分には3種類ある
税理士の懲戒処分には、
・戒告(警告のようなもの)
・2年以内の税理士業務の停止
・税理士業務の禁止(税理士業務の剥奪、登録抹消)
の3種類があります。
懲戒処分を受けると官報に掲載されてしまいます。
一番重いのが、税理士業務の禁止です。税理士資格剥奪と
なってしまいます。
業務停止になると、停止期間中は税理士としての業務が一切できないので
税務顧問契約を結んでいる顧客とは全て契約を解約しなければいけません。
業務停止処分が解けても、業務停止前の顧客は当然解約理由を知っている
でしょうから戻ってくるとも思えません。
新規の顧客との契約でも、その事実を知れば解約する方もいるでしょう。
業務停止を食らうと、税理士としての命は半分以上なくなる
と個人的には思います。
懲戒処分の事例
税理士ではない人への名義貸し
一番有名は事例だと思います。ニュースにもなっていますので。
内容としては、税理士ではない人が作成した申告書に税理士の
ハンコだけ押して、その税理士が作成した申告書を装い申告する
ことです。
そもそも、税理士ではない人に税務申告書作成依頼がくることが
あるのかな?と疑問ではありましたが、色々話を聞いていると
例えば、とある税理士に税務顧問をお願いしていたが、その税理士が
高齢により廃業した。元々日々のやりとりは、その税理士と直接
行っていたのではなく、職員の人と行っていた。
税理士が廃業した後も引き続きその職員に申告をお願いした。
その職員は他事務所に転職することになるのだが、転職先の税理士に
相談してその顧客の申告時にハンコだけもらっていた、
そのような流れのようです。もちろん、他にも事例はあります。
この名義貸し、最近はあまり聞かないですが、やっている税理士は
まだいると思います。そのような税理士とは関わらないでください。
実際の懲戒処分としては、9月の業務停止処分となっている事例が
ありました。
脱税相談等
税理士法第36条に、
「税理士は、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れ、又は不正に
国税若しくは地方税の還付を受けることにつき、指示をし、相談に応じ、その他
これらに類似する行為をしてはならない。」とあります。
脱税の相談を受けることもダメですし、脱税の指示をすることも禁止されて
います。懲戒の事例としてよく見るのが、顧問先への脱税の指示ですかね。
注意しないといけないのが、脱税と節税の線引がグレーであることも多い
ので、自らが知らず知らずのうち脱税の指示をしていた、というところ
だと思います。税理士登録をすると仕事にも力が入ると思うので、顧客に
より貢献しよう、と思いから知らずしらず、ということも十分考えられます。
税理士法をしっかり勉強して、脱税相談等になる・ならないを学んで
いくしかないです。
この脱税相談等で、とある税理士は1年10月の業務停止の処分を受けて
いました。
税理士自らの脱税
税理士が自分の申告で脱税してしまい、それが税務調査などでバレると
懲戒となります。
例えば、消費税を納める事業者にならないように売上を抜いていた、
などです。
実際の懲戒処分として、1年の業務停止処分となっている事例が
ありました。
そもそも自分で脱税するような人は、この仕事には向いてないと思います。
会費未納
税理士登録をすると会費を収めないといけないのですが、
その会費には2種類あります。
・税理士会に支払う会費(年間81,000円)
・所属する支部会費(支部によって金額が違う年間3~4万円ぐらい)
その会費を収めないと懲戒になります。
実際の懲戒処分として、1年の業務停止処分になっている人が多いようです。
おわりに
税理士でない人への名義貸しが9月の業務停止処分、
会費未納で1年の業務停止処分、
なんで会費未納の方が業務停止期間が長いのかな?疑問です。
普通に考えれば名義貸しの方が罪は重そうに思います。