令和3年4月1日から商品等の価格表示、消費税込みの総額表示が復活します

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令和3年4月1日から値札などの商品等の価格表示、消費税込みの
総額表示が義務化(復活)します。ここでの総額表示とは、
消費者が商品等を購入する際にじぶんが支払う金額が一目で
わかるように値札などの価格表示を本体価格+消費税額の
総額で表示しなさい、というものです。

4月1日からの総額表示の義務化は税制改正なのか?

税制改正ではなく、「もとに戻っただけ」となります。

平成26年4月1日から消費税の税率が5%から8%に上がりました。
上がる前までは総額表示が義務化されていました。
根拠法令は下述の消費税法第63条です。
当時はさらに平成29年4月1日から8%から10%に上がる予定
でしたので、総額表示だと商品本体の値段は同じなのに
値札、メニューの金額表示をその都度変えないといけない、
事業者によっては時間、コストが膨大にかかってしまいます。

そこで、その税率が5%から8%に上がるときに、新たな法律
「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を
阻止する行為の是正等に関する特別措置法」というものが
作られ、一定期間は販売価格の総額表示しなくていい
(消費税抜きの価格表示でOK)ということになりました。

消費税の税率、皆様もご存知の通り、最終的には令和1年10月1日に
8%から10%に上がりました。この特別措置法の期限は10%に上がった
1年半後の令和3年3月31日までとなっているため(もう延長されない)
令和3年4月1日からはもとに戻り販売価格の総額表示義務化が
復活する、ということになります。

総額表示の対象は小売業者等、卸売業者は対象外

販売価格の総額表示(消費税込みの価格)は全ての事業者に適用
される訳ではありません。
事業者が日本国内で「不特定多数の者」(消費者)に商品等の販売、
サービスを提供する場合に総額表示が必要となります。
いわゆる小売業が代表業種です。
事業者間での取引(卸売業等)はそもそも総額表示の対象事業者からは
除かれています。

根拠条文としては消費税法第63条です。読みやすい条文ですので
参考に載せときます。

(価格の表示)
第六十三条
 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。

e-Govより


スーパー、デパート、飲食店、Eコマース事業者、スポーツクラブなどが
商品・サービスごとの値札、店頭価格表示、Eコーマスサイトや
商品カタログ等の価格表示、新聞折り込み広告やDMなどで配布する
チラシの価格表示、飲食店メニューの価格表示、ポスターや看板などの
価格表示などで販売価格を消費税抜きの表示としている場合は全て変えないと
いけないので大変な作業になるかと。
飲食店などでテイクアウト用の軽減税率が絡む場合は店内飲食用の10%、
テイクアウト用の8%と分けて総額表示しないといけません。

OKな表示、NGな表示

例えば、本体価格10,000円、消費税1,000円の販売価格を表示する場合


OKな表示

・11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
・11,000円(うち消費税額等1,000円)
・11,000円(税抜価格10,000円)
・11,000円(税込)
・11,000円

上の5つの例、どれでもOKです。
税込価格の11,000円が表示されていれば問題ありません。


NGな表示

・10,000円(税抜)+税
・10,000円(税抜)
・10,000円(税抜)、消費税等1,000円

上の3つの例はどれもNGです。
税込価格の11,000円がどこにも表示されていないからです。

総額表示しなかったら罰則はあるの?

この総額表示、従わなかったらどうなるのか?
罰則は特にはありません。
でも、法律で定められた義務になるので、規模が
大きい会社ほど従わなかった場合、世間から
やりだまに挙げられ売上が落ちることも考えられます。
早めに準備をはじめて4月1日から総額表示に対応できる
ようにしときましょう。

お問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。

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