会社設立 株式会社と合同会社の違い

会社設立の形態として、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の
4種類あります。
合資会社、合名会社については現在あまり設立されていません。

会社設立の際、一般的には株式会社、合同会社から選ぶことになります。

Contents〜もくじ〜

会社運営

株式会社の場合、出資者である株主と経営者は別になります。
出資者が経営者を選び、経営者は出資者のために会社経営を
行うこととなります。

合同会社の場合、出資者が経営者となります。

しかし、株式会社でも家族経営の同族会社、ひとり会社などの
場合は、出資者と経営者は同じであり、合同会社と結果同じと
なります。

また合同会社では株式会社のような取締役会等の設置の必要が
ない、株主総会を開催する必要がありません。
これは会社の意思決定がスピーディーにできる、ということを
意味します。

他、株式会社は役員（取締役等）の登記をする必要がありますが
合同会社にはその登記は必要なりません。
株式会社の役員（取締役等）の任期は2〜10年で定款でその任期を
定めます。任期がきて重任の場合は登記をし直さなければいけません。

会社運営という面では合同会社に軍配が上がります。
シンプルですので。

設立費用

上表には、専門家への手数料、印鑑証明取得等費用は含まれていません。
専門家へ依頼する場合、電子定款となることが多く、
電子定款だと定款貼付印紙代は0円になりますが、
その金額がそのまま専門家への手数料となることが多いようです。

登録免許税ですが、
株式会社だと資本金の額が2,143万円未満、
合同会社だとその金額が858万円未満　　の場合の金額です。

結果的に設立費用という面では合同会社の方が14万円程お安くなります。

信用

信用という面では一般的に株式会社の方が信用度が高いと
されています。

株式会社は合同会社に比べて手続きが若干複雑ですので
そのような基盤を有する株式会社は信用度が高い、と見られます。

また、合同会社＝オーナー企業、と紐付けられ
会社の意思決定もシンプル、ということもあります。

責任

会社の株主は、その会社の倒産時には「責任」を負います。

「責任」とは、会社が倒産したとき誰が未払いの会社の借金を支払うか
というものです。

「責任」という意味あいでは、株式会社、合同会社共に「有限責任」と
なります。

この「責任」には「有限責任」と「無限責任」の2種類があります。

「有限責任」とは会社設立時に資本金などとして出資したお金について、
その後会社が倒産したときは返ってこなくなります。
でも、出資したお金を超える分の会社の借金については支払わなくて
いい、ということになります。
あくまでも出資した範囲内での「有限責任」となり、
株式会社、合同会社は共に「有限責任」となります。

「無限責任」とは会社設立時に資本金などとして出資したお金について、
その後会社が倒産したときは返ってこないばかりでなく、
出資したお金を超える分の会社の借金についても支払わなくは
ならない、ということです。
会社が支払わなくていけないお金（借金）を全て負担する義務が
あるので「無限責任」となります。
合資会社（無限責任社員）、合名会社、個人事業主は「無限責任」
となります。

「責任」という面では株式会社、合同会社共に「有限責任」となり
同じになります。

利益の分配（配当）

株式会社の場合、株主は出資した金額に応じた利益の分配を
受けることとなります。

合同会社では株式会社のような出資額に応じて利益を分配する
のではなく、出資者に対して自由に利益の分配をすることが
できます。
なので、設立時に資金が少ない人に対しても公平に利益を
分けることが可能です。

利益の分配に関しては自由度が高い合同会社に軍配が上がります。

会社設立後の会計税務処理

会社設立後、株式会社、合同会社共に法人税法が根拠法令になり
会社の確定申告をすることになります。
税務上の有利不利はありません。

結局、どっちがいいの？

結局どっちがいいの？、ということになるかと思いますが、
私は株式会社の方がいいと思います。
人によっては合同会社の方がいい、という方もいらっしゃいます。

会社として事業運営をする以上は、外部からの信用性というのが
一番大きいかな、と考えるからです。
株式会社、合同会社どちらにせよ利益がガンガン上がり超優良経営
の会社になればそれほど気にすることはないかと思いますが、
開業直後は信用性は影響してくるかもしれません。

単なる節税のための会社、小売会社ということであれば
合同会社でもいいと思います。

会社設立時に合同会社の方が株式会社より安く設立できますが
そこだけを見て合同会社設立を決めてほしくないです。

合同会社で会社設立したが、数年後株式会社に組織変更する方も
結構いらっしゃいますので。