会社を設立して事業をはじめた場合、特に1人社長の会社で
あれば会社のお金はじぶん(社長)のもの、という感覚が
あるかもしれません。
会社のお金は会社のもの
例えば、1人社長の会社を設立したとします。
その会社で働いているのは社長(株主)1人。
この場合、社長は会社のお金を何に使うのか
自由に決めることができます。
ただし会社の事業に関するものに限られます。
そして社長は会社から働いたことに対するお給料(役員報酬)を
もらう、ということになります。
会社のお金、社長1個人のお金ではないので
社長個人的な支出を会社が払う、ということは
認められるものではありません。
会社と社長の関係、会社という法人と社長という個人、
全くの別人格(別人)だからです。
ただし一時的に社長がお金を会社から借りてプライベートの
ことにお金を使う、社長は後日会社にそのお金を返済する、
ということであれば税法的には問題ありません。
同じ事業を行う場合でも個人事業主として事業を行う場合は
話が変わります。
個人事業主の場合、個人事業主である個人とプライベートの個人は
同一人格(同じ人)です。
なので、個人事業主である個人が事業で稼いだお金は
プライベートの個人として自由に使うことができます。
会社のお金を個人的に使ってしまうと
例えば、社長が会社のお金で個人的な買い物(消費税込で11万円)を
してしまい、さらにそれを会社の経費に計上してしまったとします。
税務調査が入り見つかるとこれは社長に対する給与(役員報酬)と
みなされ、さらに会社の経費として認められない(定期同額給与、
事前確定届出給与に該当しないから)+給与に対する源泉+源泉の
不納付加算税のトリプルパンチになってしまいます。
いいことは何もありません。会社のお金が減るだけです。
昔こんなことがあった
はじめて勤務した会計(税理士)事務所でのことでした。
とある会社の担当になり毎月月次試算表作成等をしていました。
その会社は設立2〜3年ぐらいの1人社長の会社でしたが、
売上が爆上がりの状態。
売上が上がると当然会社のお金は増えます。
そしてその会社の社長はそのお金をじぶんプライベートの
飲み代等にガンガン使っている、という状態でした。
この会社との顧問契約はとある期の決算後に切れましたが
その後その会社に税務調査が入った、という話を聞きました。
かなりきつくしぼられたと想像します。
2〜3年前ふと思い立ちその会社はまだ存在するのかを確認して
みたところ、すでに無くなってました。
税務調査が直接の原因かはわかりませんが、上記のような行為は
脱税とみなされる可能性は高いと思うので、それが原因で会社が
無くなることも可能性的にはあるでしょう。
いくら売上があがっても、そのお金を社長が全部使ってしまったら
当然お金は残りません。会社の業績、いいときも悪いときもあるのが
普通だと思います。永遠に業績がいい会社、というのはあり得ません。
業績が悪くなりさらにお金がない、ということだと最悪倒産して
しまうこともあり得ます。業績がいい時期に稼いだお金、全て
使ってしまうのではなく、今後のためにある程度残しておくことも
必要かと思います。少々、話が脱線してしまいました。
まとめ
会社のお金は会社のお金。社長(株主)のお金ではない。
個人事業主の事業に関するお金はその事業主のお金。
プライベートなど何に使おうが問題ない。
でも、事業の運転資金まで使ってしまうと事業が回らなくなる。