そもそも「倒産」とはどういう状態になることなのでしょうか?
「倒産」は法律用語ではありませんが、個人・法人などが債務超過に
なってしまった、などの理由により外部への支払いができなくなって
しまった結果、事業を継続することができなくなることです。
黒字でもキャッシュが無くなれば倒産します。
損益計算書とキャッシュフローは違う
毎期の損益計算書が黒字であれば会社の経営は安心、ということでは
ありません。損益計算書が黒字でも、毎月のキャッシュフローが赤字であれば
会社は倒産する可能性があります。キャッシュフローが赤字になってしまう
要因は大きく2つあります。これだけではないですが。
棚卸資産の過剰在庫
仕入れたけど売れない在庫はキャッシュが出ていくだけですので
当たり前ですが資金繰りが苦しくなります。
仕入れは売れた分しか費用(売上原価)に計上されないので
損益計算書の見た目は黒字になっている可能性はあります。
例えば、単価100円の商品を10個1,000円分仕入れたとします。
そのうち5個は売れたけど(1個150円)、残りの5個は売れなかったとします。
損益計算書では、
売上高 750
仕入高 500
粗 利 250
これらが積もり重なれば黒字に最終的に黒字になるかもしれません。
一方キャッシュフローを見ると
収 入 750
支 出 1,000
差 額 ▲250
となり250の赤字です。
損益計算書は黒字、キャッシュフローは赤字、となり最終的にキャッシュが
回らなくなれば倒産する可能性はあります。
この過剰在庫が原因で倒産してしまった会社で有名なのが
㈱アーバン・コーポレイションです。
この会社は不動産売買会社で、仕入れるものが不動産(土地・建物)で
あるため仕入れるに多額のキャッシュが必要です。
損益計算書では黒字だったのですが、大量の不動産の在庫を抱えて
しまい、結果キャッシュが回らなくなり倒産してしまいました。
売掛金の回収サイトが長い
商品が売れたけど、そのキャッシュがなかなか入ってこないことです。
売れたので、売上として損益計算書には計上されているけど
キャッシュが入ってこないので貸借対照表には売掛金として残って
しまいます。
例えば、得意先へ売上てその売掛金の回収サイトが2ヶ月で
仕入れ時の自社の支払いサイトが1ヶ月だったとします。
100の商品を仕入れて200ですぐ売ったとしてもその月の損益計算書は
売上高 200
仕入高 100
粗 利 100
で黒字だったとします。
キャッシュフローを見てみると
収 入 0
支 出 100
差 額 ▲100
となります。
当然、人件費などの支払いもあるので、キャッシュが回らない状態です。
はじめは社長が会社にキャッシュを入れたりして何とか乗り切ったとしても
売上が落ちたときなどで支払いができなくなり倒産する可能性があります。
売掛金の回収サイトが買掛金の支払いサイトより長いと最終的に
黒字倒産してしまうリスクは高くなります。
こうならないように売掛金の回収サイトが最低でも買掛金の支払い
サイトと同じ、若しくは、短くするといった対策が必要です。
他、売り上げたけど得意先が倒産してしまい売掛金の入金が見込めなく
なってしまうと当たり前ですがキャッシュフローは苦しくなります。
資金繰りが苦しくなると、融資で乗り越えようとするはずです。
前期以前が黒字だと、ある程度は借りられるでしょう。
借りられるだけ借りて、もう借りられない、という状態で
まだ資金繰りが苦しいと黒字倒産が見えてきます。
おわりに
黒字倒産させないためにはキャッシュの管理は絶対やらなければ
いけません。中小企業で社長がその役割を兼務している会社も
多いと思います。何となく6ヶ月後にはこれくらいキャッシュが残っている
だろう、ではなく将来の売上予測に基づいたキャッシュ管理が
必要です。かなもと税理士事務所では将来キャッシュについて不安を
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将来キャッシュに不安がある、ということであれば是非一度相談
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