会社の業績がよかった場合、節税の1つとして従業員に対しての
決算賞与があります。3月末決算の会社を例にとって見てみましょう。
決算賞与が損金となる要件
決算賞与は税務調査の際には必ず確認されます。
決算日までに決算賞与の支給額を各人別に受給者全員に通知していること
決算賞与をあなたにいくら支払う、ということを決算日(3月31日)までに
各人別に受給者全員に通知しなければいけません。
口頭ではなく文書で残しといたほうがいいです。一番いいのは内容を
理解した旨のサインを従業員にもらっておけば、この通知のことは
問題になることはありません。
決算で未払金の計上をしていること
決算時に、賞与/未払金 ×××円、の仕訳処理をする必要があります。
この処理をせずに、申告書を作成するときに調整して損金にしようとしても
否認されてしまいます。必ず仕訳処理(経理)しましょう。
決算日から1ヶ月以内に通知をした金額と同額を受給者全員に支払っていること
決算日が3月31日の会社なので、同年の4月30日までに通知した賞与の金額と
同額を通知をした全従業員に支払うことが必要です。支払い方法ですが
現金ではなく会社の預金から振り込む方がいいです。現金の支払いだと
税務調査の際、本当に払ってるの?と疑われます。支払いが同年5月以降
になると決算で損金経理した賞与が否認されてしまいます。
会社の就業規則で支給日に在職する従業員のみ賞与の対象としており
決算日には在職していたのでいくら出す旨の通知をしていたが
決算賞与の支給前に退職してしまったため、その従業員だった人には
支給しなかった、という場合はその人分だけではなく全員分が
損金として認められません。そのような状況になる可能性が少しでも
あれば決算賞与はやめとくできでしょう。
従業員に通知→損金経理→1ヶ月以内に支給、の3つが決算賞与を損金計上
できる要件になります。
決算賞与を払って資金繰りが悪化するのであれば意味がない
決算賞与を払って節税はできるが、資金繰りは悪化するかも、
このような状況が想定できるのであれば決算賞与はやめといた方が
いいでしょう。資金繰り、これを第一に考えましょう。
資金繰りを悪化させる節税は、「過度な節税」だと思うので
オススメしません。