相続人が兄弟姉妹の場合、相続手続きが煩雑になることが
よくあります。特に疎遠となっている場合には注意が必要です。
相続人の基礎
上図の家族関係で、妻が亡くなってたとします。
相続人ですが、配偶者である夫は必ず相続人になります。
夫以外では、
・第一順位:子
・第二順位:直系尊属(上図の父母)
・第三順位:兄弟姉妹(上図の弟、妹)
となります。
夫+子、夫+直系尊属、夫+兄弟姉妹、が相続人です。
子が生存の場合は、夫+子、が相続人で子が母の死亡以前に亡くなって
いれば第二順位に移る、ということになります。
相続分(法定相続分)ですが、
第一順位:配偶者1/2、子1/2
第二順位:配偶者2/3、直系尊属1/3
第三順位:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
となります。
相続人が兄弟姉妹で養子は相続人になるのか?
亡くなった妻には子供がいない、夫と父母は妻の死亡以前に死亡、
妹が父母の養子となったのは、妹の幼少期(妻の死亡以前)とします。
この場合だと弟は相続人になれますが、妹は養子ですが相続人に
なれるのでしょうか?
結論はなれます。
養子の取り扱いは民法727条に定められており以下のようになってます。
「養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、
血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる」
今回の場合だと、妹は父母の養子となった日から父母の法律上の子となる、
ということです。
ちなにみ、妹(養子)の夫は亡くなった妻と血縁関係はないので
相続人にはなれません。
相続人が兄弟姉妹の場合の代襲相続
亡くなった妻には子供がいない、夫・父母・妹(養子)は妻の死亡以前に
死亡、妹が父母の養子となったのは、妹の幼少期(妻の死亡以前)、
という状況だとします。
この場合だと、弟と妹(養子)の子が相続人になれます。
子は妹(養子)の代襲相続人ということです。
代襲相続ですが、今回だと妻の甥姪までが代襲可能です。
甥姪の子は代襲相続できません。妹の子が養子である場合には
養子となった日が妻の死亡以前であればあその養子は代襲相続人に
なれます。
ちなみに、直系卑属(子や孫)の場合であれば代襲は無限に続けられます。
おわりに
養子に行ってしまった兄弟姉妹がいて、その兄弟姉妹と疎遠になって
しまった、という状況も考えられると思います。普通養子だと養子に
行ってしまってもその兄弟姉妹とは血縁関係は消滅しないので
相続手続きが大変になる可能性があります。
有効な対策としては遺言をしっかり残しておく、ということです。