消費税 8%と10%の売上が混在している事業者の消費税の特例計算

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年に10月1日に消費税税率が10%に上がり、

さらに軽減税率が導入され、消費税税率が複数税率となりました。

事業者の方によっては、10%・8%の売上両方があり、

それらを分けるのが困難な場合もあると思います。

取引ごとに消費税税率を10%、8%(軽減税率)に分類して消費税額を

計算するのが原則ですが、その分類をすることが困難な事業者の

方むけに特例が設けられています。

売上税額の計算の特例

この特例の適用を受けることができる事業者は、

中小事業者(基準期間(≒2年前)の消費税の売上が5,000万円以下

である事業者)で、消費税税率を区分することについて

「困難な事情があるとき」です。

この「困難な事情があるとき」ですが、特例の適用にあたり

困難の度合いは問われませんので、結局中小事業者であれば

誰でも適用を受けることができます。

10日間特例(軽減売上割合の特例)

10日間特例は、全ての事業について適用することができます。

内容は、通常の事業を行う連続する10営業日について軽減税率対象の

売上を区分した「軽減売上割合」を用いて、売上の消費税を計算する

方法です。

なお、この10日間特例は、簡易課税制度を適用している場合でも

適用することができます。

具体例

・課税期間(計算期間)は、2019年1月から12月

・2019年1月から12月までの消費税込みの売上合計 3,000万円

・通常の事業を行う10営業日の消費税込みの売上合計 90万円

・上記90万円のうち軽減税率(8%)対象の消費税込みの売上合計 30万円

とします。


売上の消費税の計算は、

①軽減税率(8%)対象の税込売上額を計算

 3,000万円 × 100万円/150万円 = 2,000万円

 軽減税率(8%)対象の税込売上高を税抜きにする

 2,000万円 × 100/108 = 18,518,518円

②通常税率(10%)の税込売上額を計算

 3,000万円 ー 2,000万円 = 1,000万円

 標準税率(10%)対象の税込売上額を税抜きにする

 1,000万円 × 100/110 = 9,090,909円

③軽減税率(8%)対象の消費税額を計算する

 18,518,000円 × 6.24% = 1,155,523円

 標準税率(10%)対象の消費税額を計算する

 9,090,000円 × 7.8% =  709,020円

上記③の合計が、課税標準額に対する消費税額となります。

売上げの卸小売特例(小売等軽減仕入割合の特例)

売上げの卸小売特例は、卸売業と小売業のみが対象の計算方法です。

卸売業と小売業の消費税込みの売上に、「小売等軽減仕入割合」を

かけて、売上を8%を10%に分ける方法です。

「小売等軽減仕入割合」とは、課税仕入れ総額のうちの軽減税率対象の

仕入れの割合のことです。仕入れを軽減税率と標準税率に分類している

ことが前提となります。

仕入れを分類できるなら、売上も分類できると思うので、使うことは

少ないかな、と思いますので、詳しくは触れません。

50%特例

軽減税率(8%)対象の売上が主な事業者は、

上記の軽減売上割合又は小売等軽減仕入割合を50%として

計算することができます。

軽減税率対象の売上が主な事業者とは、軽減税率対象の売上が

総売上のおおむね50%を超える事業者のことです。

仕入税額の計算の特例

売上計算の特例と同じで、中小事業者が対象で、

課税仕入れを軽減税率対象と標準税率対象との区分することについて

「困難な事情があるとき」に適用できます。

「困難な事情があるとき」は売上と同じで、何でもOKです。

ただ、仕入れの特例は、卸売業と小売業のみに限定されています。

この特例は、課税仕入れ等に「小売等軽減売上割合」をかけて

課税仕入れを算出し、仕入税額を計算するものです。

なお、仕入れの特例については、10日間特例はありません。

簡易課税制度の届出特例(事後選択)

簡易課税制度とは、仕入れの消費税を売上の消費税を使い

簡便的に計算する制度です。

簡易課税制度の適用を受けるには、

中小事業者(基準期間の課税売上高が5,000万円以下)で、

その適用を受けようと課税期間の前日までに、

簡易課税制度選択届出書を税務署に提出しなければいけません。


この中小事業者が課税仕入れ等の税率を異なるごとに区分

することにつき「困難な事情があるとき」は、

令和1年10月1日から令和2年9月30日までの日の属する課税期間の

末日までにその届出書を税務署に提出すれば、その提出した課税期間から

簡易課税制度を適用をすることができます。

「困難事情があるとき」は、売上と同じでなんでもOKです。

個人事業主であれば、令和2年分の消費税を簡易課税で計算したい

場合は、通常だと令和1年12月31日までに簡易課税制度選択届出書を

税務署に提出しなければいけませんが、上記特例により令和2年12月31日

までにその届出書を税務署に提出すればいいということです。

おわりに

売上が軽減税率と標準税率が混在する場合で、

消費税の計算をご自身でやられている方は、

売上については、飲食小売業など軽減税率売上の割合が

おおむね50%を超える方は50%特例を、そうではない方は

10日間特例を使い売上の消費税を計算するのが比較的簡単です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする