クレジットカードの経理処理 〜 個人事業主・フリーランスの経理

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経費の支払方法の1つとしてクレジットカードでの支払いがあります。
このクレジットカードでの支払い、そのカードが事業専用なのか
プライベート用なのかで経理処理は変わります。

個人事業主、複式簿記(青色申告特別控除65万円取れる)
による記帳を前提とします。

事業専用のクレジットカードを使っている場合(事業専用口座からの引き落とし)

クレジットカードの締日は毎月10日、
対象期間は6月11から7月10日、8月11日に事業専用口座から引き落とし、
を前提とします。

6/18 100%事業用PC関連消耗品購入 15,000円
6/25 書店で仕事関係の本を購入 5,000円
6/26 東京電力 電気代 4,000円(30%の1,200円が事業経費)
7/3  プライベート関連 10,000円
7/8  事業関係のセミナー代支払い 7,000円     
8/11 6/11〜7/10カード使用分41,000円、事業専用口座から引き落とし

とします。原則、発生主義で経理処理しますので、クレジットカード
使用時に費用処理(未払金)、引き落とし時に別途仕訳が必要と
なります。仕訳は以下のようになります。

借 方金 額貸 方金 額
6/18消耗品費15,000 未払金 15,000
6/25新聞図書費5,000未払金5,000
6/26水道光熱費1,200未払金1,200
事業主貸2,800未払金2,800
7/3事業主貸10,000未払金10,000
7/8研修費7,000未払金7,000
8/11未払金41,000預 金41,000

事業専用のクレジットカード使用の中に家事費(6/26電気代の家事部分、
7/3プライベート関連)が含まれている場合、その家事費部分も経理します。
その時に使う勘定科目は、事業主勘定(事業主貸、事業主借)です。
この事業主勘定については、以前のブログで書いております。
リンクを貼っときます。参考にしていただければ。

事業主貸、事業主借とは? 実際の経理処理 決算(確定申告)のときの貸借対照表



なお、期中ですと引き落とし時に一括で仕訳でもOKです。

借 方金 額貸 方金 額
8/11消耗品費15,000 預 金 41,000
新聞図書費5,000
水道光熱費1,200
事業主貸2,800
事業主貸10,000
研修費7,000

クラウド会計ソフトなどで、クレジットカード明細を取り込む場合は
この処理になると思います。
ただ、この処理だと決算時に一手間かかります。
クレジットカード決済日と引き落とし日が決算をまたぐ場合には
経費を未払金計上する必要があります。


事業専用口座からの引き落としの場合、未払金経理をするか、
引き落とし時に一括経理するか、やりやすい方で経理すれば
いいと思います。
ちなみに私は期中と決算時の処理をできるだけ変えたくないので
未払金経理をしています。

プライベート用のクレジットカードで事業経費を使った場合(プライベート口座からの引き落とし)

クレジットカードの締日は毎月10日、
対象期間は6月11から7月10日、8月11日にプライベート口座から引き落とし、
を前提とします。

6/12 プライベート関連 20,000円
6/18 100%事業用PC関連消耗品購入 15,000円
6/24 東京ガス ガス代 3,000円(全額プライベート)
6/26 東京電力 電気代 4,000円(30%の1,200円が事業経費)
7/3  プライベート関連 10,000円
7/8  事業関係のセミナー代支払い 7,000円 
7/9  プライベート関連 8,000円      
8/11 6/11〜7/10カード使用分67,000円、プライベート口座から引き落とし

仕訳は、以下のようになります。

借 方金 額貸 方金 額
6/18消耗品費15,000事業主借15,000
6/26水道光熱費1,200事業主借1,200
7/8研修費7,000事業主借7,000

プライベート口座からの引き落としなので、プライベート関連、
カード代金引き落とし時の経理をする必要はありません。
カード使用日に経費計上の仕訳を切ります。このときの相手勘定は、
「事業主借」になります。

インターネット通信販売

インターネットでの通信販売は決算時に注意が必要です。
例えばアマゾンで商品(事業の経費になるもの)を注文して
注文日が12月28日、商品到着日が年をまたいだ1月4日だっと場合。

この場合は商品がまだ納品されてないので来年の経費、という
ことになります。私のクレジットカード支払い明細一覧を見てみると、
商品の納品日がカードのご利用日、となっていたので、その日付を見て
経理すればいいということになります。もし注文日がクレジットカードの
支払い明細一覧のご利用日、となっている場合は決算時には注文日が
いつか、実際納品された日はいつか、を確認して経理する必要があります。

おわりに

クレジットカードを使用して経費処理をした場合は、
該当月の支払明細一覧と、カード使用時にもらえる領収書・利用明細を
保存しときましょう。

該当月の支払明細一覧だけだと(得にプライベート口座からの引き落としの
場合)税務調査時に問題になる可能性がありますので。


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