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会社が従業員のコロナ感染予防対策費用を負担した場合、
従業員の給与所得になるorならない、の取り扱いが
2021年5月31日に国税庁から公表されました。
給与所得になる場合は従業員の税金負担(所得税と住民税)の
負担が増える、ということになってしまいます。
マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費
![](https://kanamoto-blog.com/wp-content/uploads/2021/06/スクリーンショット-2021-06-03-15.18.45-1024x425.png)
※国税庁HPより
通勤時・客先訪問時・出張時などに使用する通常必要なマスク・消毒液等を
会社が負担した場合、それらが業務のために通常必要であれば
給与課税はされません。
ポイントは「業務のために通常必要であること」でしょうか。
業務のために通常必要ではない、の例として従業員の家族が使用する
マスク等があがっていますが、考えられるケースとしては
従業員1人が1月で使うにはあまりにも多すぎるマスク代等を会社が
負担したときなどでしょうか。
従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機などの備品の購入費
![](https://kanamoto-blog.com/wp-content/uploads/2021/06/スクリーンショット-2021-06-03-15.19.04-1024x425.png)
※国税庁HPより
テレワークを行うために従業員の自宅に設置する机等の費用を会社が
負担した場合、給与課税は必要ない、ということです。
ただしちょっと注意が必要なのは、
・間仕切り・机等の所有権は会社
・テレワークをするのに通常必要なものであること
これらの要件を満たしている必要があります。
間仕切り・机等の所有権が従業員となるものを会社が負担した
場合(会社が間仕切り・机等を従業員にあげる)は給与課税と
なってしまいます。
感染が疑われる場合のホテル等の利用料・ホテル等までの交通費など
![](https://kanamoto-blog.com/wp-content/uploads/2021/06/スクリーンショット-2021-06-03-15.19.21-1024x384.png)
※国税庁HPより
これ、上のスクショだけではちょっとわかりずらいと思います。
会社の新型コロナ感染予防対策として感染が疑われる従業員に
対して、ホテル等で勤務することが認められている場合、が
前提かと思います。あくまでも会社判断でのホテル勤務、ということ。
知り合いがコロナに感染した等の理由により自己判断での
ホテル代を会社が負担した場合には給与課税となってしまいます。
また、いくら会社が負担するのかを定めている
「旅費規定等」が必要となります。
PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など
![](https://kanamoto-blog.com/wp-content/uploads/2021/06/スクリーンショット-2021-06-03-15.19.45-1024x384.png)
※国税庁HPより
会社の業務命令により従業員が受けたPCR検査費用、
〃 テレワーク関連の業務スペース消毒
外部委託費用などについては給与課税は必要ない、ということです。
ポイントは「会社の業務命令により」というとこでしょうか。
会社の業務命令ではなく、従業員の自己判断により受けたPCR検査費用
等を会社が負担した場合は給与課税となってしまいます。
上記の法人税法上の取り扱い
給与課税されないもの、
マスク代であれば消耗品費、
ホテル代であれば旅費交通費、
PCR検査費用であれば福利厚生費、
会社の他の経費と同じく普通に経費(販管費)となります。
給与課税されるものであれば、役員以外の従業員に対するものは
給与として経費(損金)に算入されます(源泉徴収は必要)。
ただし、役員に対して給与課税されてしまうと、
経費(損金)にはなりません。
1人社長の会社は注意が必要かと思います。
おわりに
上記の中で、「感染が疑われる場合のホテル等の利用料・
ホテル等までの交通費など」はちょっと怖いな、と思います。
「旅費規定等」がないと会社判断でホテル勤務をしたと
しても税務調査の際、「これは現物給与でしょ」と調査官から
突っ込まれてしまう可能性はあるかと思います。