住宅ローン控除、初年度の確定申告に必要な書類

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

住宅ローン控除とは、一軒家・マンションなどの住宅(土地、建物)の
購入や住宅のリフォームの際に住宅ローン(銀行等からの借入)を
利用した場合に、一定の要件を満たせば10年間(又は13年間)所得税が
控除される制度です、

住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅購入初年度は確定申告を
行う必要があり、会社員の人は2年目以降は会社の年末調整で
その適用を受けることができます。

住宅ローン控除初年度の確定申告についての必要書類について
よく質問を受けるのでまとめてみました。

確定申告に必要な書類

令和2年に会社員の方が新築の住宅(一軒家、マンション)を
全額ローンで購入したということを前提とします。

①令和2年分給与所得の源泉徴収票
②金融機関等から交付された
「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書の原本」
③住宅(土地、建物)の登記事項証明書の原本
④住宅の売買契約書(土地、建物)又は工事請負契約書(建物)のコピー

⑤認定住宅であることを証明する書類

⑥住まい給付金など市区町村から補助金等をもらったら
その補助金決定通知書

⑦親などから住宅取得等資金の贈与を受けた場合は
その贈与に係る贈与税申告書

⑧マイナンバーなどの本人確認書類

が必要になります。


まず、⑥の補助金決定通知書と⑦の住宅取得等資金の贈与税申告書ですが、
すまい給付金などの補助金を受け取っていない、親などから住宅取得等
資金の贈与を受けていない、ということであれば必要ありません。
下述の必要書類は、補助金を受け取っていない、住宅取得等資金の贈与を
受けていないことを前提とします。

新築の一般住宅(普通の住宅)であれば必要書類は、
上記①②③④⑧が必要書類です。
住宅(土地、建物)の登記事項証明書ですが、
住宅(土地、建物)を全てローンで購入したということなら
土地、建物両方の登記事項証明書が必要となり、
土地は既に持っていて建物だけをローンで建てたということで
あれば建物のみ登記事項証明書が必要となります。

新築の認定住宅(耐震性、耐久性などに優れた住宅)であれば
必要書類は上記①②③④⑤⑧となります
(新築の一般住宅の必要書類プラス⑤の書類)
認定住宅とは、認定長期優良住宅、低炭素住宅、低炭素と
みなされる特定建築物、のことです。
⑤の認定住宅であることを証明する書類ですが、
上述の認定住宅の種類により必要書類が変わります。
これについてはここで書くと長くなるので
後日のブログで書く予定です。

⑧のマイナンバーなどの本人確認書類ですが、
国税庁HPなどで電子申告する場合はマイナンバーを
確定申告書に記載する箇所があるので、
その記載だけでOKです。

上述の書類を揃えて、
令和2年分の確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書を
作成、必要書類をあわせて税務署に提出(確定申告)します。

どれくらい税金が返ってくるのか

住宅ローン控除の限度額ですが、
新築住宅の場合(特定取得の場合)、
一般住宅40万円、認定住宅50万円、となります。

前提として、会社員として働いていて収入は給与所得のみ、
令和2年の給与所得の収入は800万円、
年末調整後の所得税等は59万円(令和2年源泉徴収票の
右上「源泉徴収税額」)、とします。

令和2年に一軒家(土地、建物・一般住宅)を5,000万円で
全額ローンで購入したとします(借入金の年末残高4,900万円)。
(住宅ローン控除の適用を受けるための要件は全て満たしているとする)

住宅ローン控除額の計算は、
① 住宅借入金等の令和2年年末残高
 (金融機関から発行される住宅借入金の残高証明書の年末残高)
② 住宅(土地、建物)の取得等の金額
③ ①と②のうち、少ない金額×1%=住宅ローン控除額(40万円が限度)
となります。

上述の例に当てはめてみると、
① 住宅借入金等の令和2年年末残高 4,900万円
② 住宅(土地、建物)の取得等の金額 5,000万円
③ 4,900万円<5,000万円 ∴4,900万円
  4,900万円>4,000万円 ∴4,000万円
  4,000万円×1%=40万円
となります。40万円が還付されます。
※③の4,900万円と4,000万円の比較は、一般住宅の限度額が
 40万円なので40万円÷1%=4,000万円と比較するという意味

住宅借入金等の年末残高は年々減っていくので、
住宅ローン控除の適用期間(10年か13年)中、
その年末残高の1%の所得税等が控除(還付)されることが
多いと思います。13年の住宅ローン控除の場合は、
11〜13年目は計算方法は変わります(控除額が少なくなる)。

住宅ローン控除の適用を受けるには初年度は必ず確定申告をする
必要があります。確定申告が必要なのは、初年度(今回の例だと
令和2年分)のみで、翌年度以降は会社の年末調整で住宅ローン控除の
適用を受けられます。

(参考)住宅ローン控除の適用を受けるための要件

参考までに軽く触れときます。

①新築等をした日から、6月以内に入居している
②本年(令和2年)12月31までに引き続きその住宅に住んでいる
③本年(令和2年)の合計所得金額が3,000万円以下である
④住宅の床面積が50㎡以上で、その1/2以上が専ら自己の居住用である
⑤住宅ローンの償還期間が10年以上である
⑥2以上の住宅を所有していないこと
⑦新築等した住宅に入居した年とその前後2年以内にマイホームを売却
した場合の3,000万円の特別控除などの適用を受けていない

などが要件になります。


①の「新築等した日」ですが、建て売りの住宅であれば買った日、
自分で建てた注文住宅であれば建った日、です。

④の住宅の床面積50㎡以上ですが、
令和3年の税制改正で40㎡以上50㎡未満の住宅も住宅ローン控除の
対象となる見込みですが、令和2年を初年度とする住宅ローン控除は
この税制改正前ですので、50㎡以上の住宅がその対象です。

おわりに

令和2年を初年度とする住宅ローン控除の適用を受ける場合、
令和2年12月31日までに新築等した建物に入居する必要が
ありますが、新型コロナの影響で入居が遅れてしまった
(令和2年12月31日までに入居できなかった)場合の特例措置も
あります。これについては後日のブログで触れる予定です。

お問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする