棚卸資産回転期間、棚卸資産回転率〜資金繰りには重要な指標

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棚卸資産とは、ざっくり言うと在庫です。

小売業であれば仕入れた商品の在庫、
製造業であれば原材料・仕掛品・製品のことです。

今回は、棚卸資産についての指標です。

棚卸資産回転期間とは?

棚卸資産回転期間は、棚卸資産(在庫)がどれくらいの月数・日数で
販売できているのかを示している指標です。

棚卸資産は売ることによってキャッシュ化できるわけですから、
この棚卸資産回転期間は短いほど資金繰り的には良好といえますし、
財務分析上も評価されます。

資金繰りの事だけを考えると、棚卸資産は極力持たず棚卸資産回転期間が
短いほうが良いといえます。

しかし、資金繰りに影響があるからと、この回転期間を意識し過ぎるのも
問題。なぜなら、売る機会を逃さないためにも、ある程度の棚卸資産を
保有することは必要だからです。

会社1社1社状況が違うので、棚卸資産回転期間が長くても、正当な理由が
あれば問題ありません。


棚卸資産回転期間(月)=棚卸資産÷(年間売上原価÷12)

棚卸資産回転期間(日)=棚卸資産÷(年間売上原価÷365)

※棚卸資産は、期末棚卸資産の金額、期首・期末棚卸資産の平均金額、
 毎月月末棚卸資産の平均金額を使うことが考えられますが、
 より正確に求めようとするならば、毎月月末棚卸資産の平均金額を
 使うといいでしょう。


この棚卸資産回転期間算出には分母に売上高を使うやり方もありますが
私は売上原価を使う方がいいと思うので売上原価を使っています。

棚卸資産回転期間が長い要因として、売れてない、ということであれば
問題です。売れないと在庫が増えるのでこの棚卸資産回転期間が長期化して
しまい資金繰りに悪影響が出るからです。

棚卸資産回転率とは?

棚卸資産回転率とは、在庫を適切に管理できているかを測るもので
仕入から売上までの在庫期間が長いか短いかを判断するための指標です。
在庫回転率とも言われています。

棚卸資産回転率は、高いほど経営が良好と言えます。
仕入れてから売り上げるまでの期間が短い、ということだからです。


棚卸資産回転率=年間売上原価÷棚卸資産

※棚卸資産金額は上記棚卸資産回転期間と同じになります。

業種別平均棚卸資産回転期間

以下の数値は国が行っている中小企業実態基本調査(平成30年)から
独自に計算して算出したものです。あくまでも参考です。

・建設業:約38.2日
・製造業:約44.3日
・情報通信業:約28.3日
・卸売業:約24.0日
・小売業:約1.2日
・不動産業、物品賃貸業:約173.3日
・学術研究、専門技術サービス業:25.3日
・宿泊業、飲食サービス業:8.2日

おわりに

棚卸資産回転期間・回転率共に資金繰りを見ていくには重要な指標です。
この指標を正確に出すには、棚卸しを毎月正確に実施することが重要です。
決算時しか棚卸しをしていない会社もあるかと思いますが、毎月の損益、
資金繰りを見るのに信憑性が欠けるものになるので、棚卸しは毎月行う
ことをオススメします。

かなもと税理士事務所では、資金繰りついての無料相談を行って
おります。資金繰りについて不安を感じている事業者の方は相談して
いただければと思います。

お問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。

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