土地建物を売って譲渡所得がある場合、取得費の計算について買ったときの
金額を土地と建物に分けなければいけません。買ったときが平成元年以降で
契約書に消費税額の記載がある場合は、その金額から逆算して建物の取得価額を
算出できます。昭和以前の取得、消費者からの取得のときは契約書に
消費税額の記載がありません。
このような場合は、「建物の標準的な建築価額」を使い建物の取得価額を
算出することができます。
今回の前提として、買ったときの契約書等が存在する場合です。
その契約書等がないと基本、売ったときの金額×5% で取得費を
計算することとなります。
売った土地建物が新築での取得だった場合
前提
・売った土地建物の新築での取得価額は、50,000,000円
・その建物の建築年月日は、昭和57年6月1日
・その建物の構造は木造で床面積は200㎡
とします。
計算方法
で求めます。
建物の標準的な建築価額表は、以下の表になります。
(国税庁HPより)
上の表の赤マルで囲ってある箇所が、昭和57年新築・木造の標準的な
建築価額(101,300円)となります。建物床面積は200㎡なので、
101,300円×200㎡=20,260,000円
が建物の取得価額となり、
土地の取得価額は、取得価額の合計から建物の取得価額を引きます。
50,000,000円ー20,260,000円=29,740,000円
が土地の取得価額となります。
売った土地建物が中古での取得だった場合
前提
・売った土地建物の中古での取得価額は、40,000,000円
・その建物の建築年月日は昭和57年6月1日で、昭和62年4月20日に取得
・売った建物の構造は、木造で床面積は200㎡
とします。
計算方法
で求めます。
新築の場合で求めた建物の取得価額は、新築の場合と同じ前提にしてるので
その取得価額は、20,260,000円です。
建物新築から買ったときまでの減価償却費の計算ですが、
以下の算式で計算します。
計算すると
20,260,000円×0.9×0.031×5年=2,826,270円
となります。
中古の場合の建物の取得価額は、
20,260,000円ー2,826,270円=17,433,730円
となります。
土地の取得価額は、
40,000,000円ー20,260,000円=19,740,000円
となります。減価償却後の建物の取得価額をマイナスしない
ように注意してください。
おわりに
譲渡所得を計算する上で、建物の取得価額から住んでいた期間分の
減価償却費をマイナスした金額が建物の取得費となります。