不動産所得の収入計上時期 個人か法人かにより、その時期は変わります

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不動産所得がある方の収入計上時期についてです。

個人事業主か法人かによって、その取り扱いは変わってきます。

個人事業主の場合

不動産の家賃は、契約により前家賃の場合が多いと思います。

令和2年1月分の家賃で令和1年12月末日が支払期日となっている場合は

その家賃は令和1年の収入でしょうか?

それとも、令和2年の収入でしょうか?

原則

令和1年の収入となります。


この根拠として、不動産所得の収入計上時期は、

所得税法基本通達で、「契約、習慣により支払日が定められているものは、

その定められた支払日に収入計上しなさい」となっているからです。

今回の場合ですと、「定められた支払日」は、令和1年12月末までですので

令和1年の収入として計上することとなります。

特例

令和2年の収入とすることができます。


この根拠としては、かなり古いですが、昭和48年の直所2−78に、

「その賃貸料にかかる貸付期間の経過に応じ、その年中の貸付期間に対応する

部分の賃貸料の額をその年分の不動産所得の総収入金額に算入すべき金額と

することができる」とあります。

今回の場合ですと、令和1年12月入金分の家賃は、令和2年1月分なので

令和2年の収入とすることができる、ということです。

この特例を適用するには、その人の有する不動産所得の全部について

期間対応で総収入金額を計算し、かつ、帳簿上当該賃貸料にかかる

前受収益および未収収益の経理が行なわれていること、が必要と

なります。

どっちで計上すべきか?

複数の不動産をお持ちの方は、どれかを上記原則・どれかを上記特定と

収入計上することはできません。

原則(入金ベース)、または、特例(期間対応)のどちらかで全ての

不動産に係る収入を計上する必要があります。

原則(入金ベース)で計上したほうが、わかり易いので、いいと思います。

法人の場合

法人は12月決算とします。

令和2年1月分の家賃で令和1年12月末日が支払期日となっている場合は

その家賃は令和1年の収入(益金)でしょうか?

それとも、令和2年の収入(益金)でしょうか?


法人の場合は、令和2年の収入(益金)となります。


根拠(考え方)を書くとかなり長文になるので省略します。

なんで個人と法人で取り扱いが違うかというと、根拠となる

法律が違うからです。

個人は所得税法、法人は法人税法を根拠とします。

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