1月の給料の支給日に年末調整還付金を返す場合、還付金は何月の源泉納付に充当するのか

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多くの会社等は、12月中に年末調整を終わらせて
いることかと思います。
年末調整での還付金は、源泉所得税の納付に充当できますが
何月の源泉納付に充当するか、についてです。
え、翌月1月の源泉納付に充当するんでしょ、と
思っている方がほとんどだと思います。
でも、ケースによってそうでない場合もあります。

給料末締、翌月10日払いの場合

令和2年11月分給料支払いは12月10日、
令和2年12月分給料支払いと年末調整での税金の還付等は
令和3年1月12日に支払いと還付金を返す、します。
会社は令和2年12月10日の給料の支払いに係る源泉所得税を国に
令和3年1月12日までに、令和3年1月12日分の給料の支払いに係る
源泉所得税を令和3年2月10日までに支払います。

年末調整の還付金はこれらの源泉所得税の納付額に充当できます
(納付する源泉所得税からマイナスできる)が、年末調整の還付金は
令和3年1月12日に従業員等に返しという前提です。
この場合、充当できるのは令和3年1月の源泉所得税の支払い分か
令和3年2月の源泉所得税の支払い分、どちらでしょうか?

結論は年末調整を行ったのが、令和2年12月であれば
令和3年1月分に、
令和3年1月に年末調整を行ったのであれば令和3年2月分に
充当します。

この根拠として国税HP、源泉所得税タックスアンサー2675に
以下のように書かれています。

No.2675 年末調整の過不足額の精算

1 過納額の還付

給与の支払者は、源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額が年調年税額よりも多い場合には、その差額の税額を役員又は使用人の各人ごとに還付しますが、その方法は、次のとおりです。

(1) 年末調整を行った月分(通常は12月分。納期の特例の承認を受けている場合には、その年7月から12月までの分)として納付する「給与、退職所得及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」のうちから差し引き、過納となった人に還付します。

以下省略

国税庁HPより

上述タックスアンサー(1)で、年末調整還付分の源泉所得税納付に
係る充当は、年末調整を行った月分として納付する源泉所得税から
差し引きなさい、といっています。
つまり年末調整を行ったのが令和2年12月であれば令和3年1月の
源泉所得税納付に充当する、令和3年1月であれば令和3年2月の
源泉所得税納付に充当する、ということです。
何となく年末調整の還付金は翌年1月の源泉納付に充当する、と
思っている方が多いと思いますが、正確には若干違います。

なお、「年末調整を行った」の意味としては年末調整の業務を
実際に行った月、という意味です。年末調整での還付金を
従業員等に返した月という意味ではありません。

納期の特例の場合は

給料等からの源泉所得税は、原則給料等を支払った翌月10日
までに国に納付します。
でも、会社の従業員が10人未満の場合、
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」という書類を
所轄の税務署に提出すれば毎月納付ではなく、半年に1回の納付と
することができます。この場合、
1月から6月に支払った給料等の源泉所得税は7月20日までに、
7月から12月に支払った給料等の源泉所得税は翌年1月20日までに
源泉所得税を納付する、ということになります。

上述と同じ前提で、この納期の特例を使っている会社の場合、
12月に年末調整を行ったのであれば令和3年1月支払い分
(令和2年7月〜12月分)に充当します。
翌年1月に年末調整を行ったのであれば令和3年7月支払い分
(令和3年1月〜6月分)に充当します。

会社等の年末調整業務は12月に行うことがほとんどだと
思いますので、源泉納付が毎月・特例いずれの場合でも
翌年1月の源泉納付に年末調整還付金を充当するケースが
ほとんどかと。でも年末調整業務を1月に行った場合には
変わりますので少し注意が必要です。
この年末調整還付金を源泉納付に充当する時期違いで
源泉納付に係る不納付加算税の請求がきた、という
話は聞いたことはありませんし、今までに実際に
あったのかもわかりませんが、覚えといて損は
ないと思います。

お問い合わせはこちらのフォームよりご連絡ください。

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