令和2年度 税制改正大綱

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令和2年度の税制改正大綱が、12月20日に閣議決定されました。

注目すべき内容

・未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し(所得税)

・NISA制度の見直し・延長(所得税)

・低未利用地を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設(所得税)

・所有不明等土地等に係る固定資産税の課題への対応(固定資産税)

・オープンイノベーションに係る措置の創設(法人税)

・5G導入促進税制(法人税)

・連結納税制度の見直し(法人税)

・交際費等の損金不算入制度の延長・見直し(法人税)

・消費税の申告期限の延長(消費税)

などです。法人税関係については、後日ブログで書きます。

未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し

未婚のひとり親に対する税制上の措置は、未婚のひとり親の税金負担の
軽減のために創設されます。

未婚のひとり親に対する税制上の措置

未婚のひとり親は、今まで寡婦(夫)控除の適用を受けられませんでしたが、
受けられるようになります。

要件は、
・日本の居住者で、現に婚姻していない
・生計を一にする子(総所得金額等の合計が48万円以下)を有すること
・合計所得金額が500万円以下であること
・住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がない人

上記のすべての要件を満たすと、35万円の所得控除を受けられます。
また、この制度は、個人住民税についても適用があり、上記要件を
満たすと、30万円の所得控除を受けられます。

寡婦(夫)控除の見直し

寡婦(夫)控除に、この適用を受けようとする人の合計所得金額が
500万円以下であること、の要件が加わりました。
個人住民税についても同様です。

なお、現行の寡婦控除の特例は廃止されました。

これらの改正は、所得税については令和2年分以後、
個人住民税については、令和3年度分以後、について適用されます。

所有不明等土地等に係る固定資産税の課題への対応

固定資産の相続登記がされない場合には、各自治体は所有者を特定する
ため戸籍を調査しなけばいけなく多大な負担になること、
所有者の特定が困難で固定資産税の課税ができないケースが増えている、
のが背景です。

現に所有している人の申告の制度化

土地または家屋の登記簿上の所有者が死亡し、相続登記がされまるまでの
間に現に所有している人(相続人等)に、各自治体の条例の定めるところ
により、現所有者に氏名・住所その他固定資産税の賦課徴収に必要な
事項を申告させることができることとなりました。

使用者を所有者とみなす制度の拡大

調査を尽くしても固定資産の所有者が一人も判明しない場合、事前に使用者に
対して通知をした上で、使用者を所有者とみなして、固定資産税を課すことが
できることとなります。

消費税の申告期限の延長

法人税の申告期限の延長の特例の適用を受ける法人について、
消費税の申告期限を1月延長する特例が創設されます。

おわりに

令和2年の税制改正大綱は、全体的に小粒かな、という印象です。

税制改正大綱で発表されたもの全てが法律になるわけではありません。
先送り・見直しになるものもあります。

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