経理をする際、この費用はどの勘定科目で処理すれば
いいのだろうか?、と悩むこともあるかと思います。
通信費、会議費など各勘定科目にはそれぞれ意味があります。
販管費の勘定科目を分ける際の私が考える考え方についてです。
使う勘定科目は決めといた方がいい
事務所の電気代であれば水道光熱費、契約書に貼る印紙であれば租税公課
など特に考える必要がないものはその科目で処理します。
ちょっと考えのはどっちともとれるもの。
迷うので考えられのは消耗品費と事務用品費、修繕費と車両費
などがあると思います。
こういったものはあらかじめどっちを使うか決めといた方が
いいです。
経費の勘定科目を分けるメリットの1つとして、例えば通信費であれば
当期(当年)の各月で通信費の経費の推移が把握できる、
前期(前年)同月と比較して通信費は増えているのか減っているのか
(その原因は何?)、などの比較があります。
月々で同じ内容の経費を違う勘定科目で処理してしまうと
当期(当年)各月、前期(前年)同月との比較があまり意味が
ないものになってしまいます。
また、使う勘定科目はあまり多くはしない方がいいと思います。
多くし過ぎると把握が難しくなりますので。
目的によって勘定科目は変わる
突然ですが、会議費、研修費、広告宣伝費の各勘定科目の意味は、
会議費〜社内で行われた会議や取引先との打ち合わせで発生した費用
研修費〜自社の業務に直接関係する自社社員のスキルアップを目的とした費用
広告宣伝費〜不特定多数の人に向けた宣伝効果を意図して支出する費用
こんな感じです。
では、イベント会場を借りたとします。
この会場代は何費になるのでしょうか?
「イベント会場を借りた」という情報だけでは何費になるかは
判断できません。
そのイベント会場で何をするのか?で何費になるか(勘定科目を
何費にするか)を判断します。
イベント会場を借りたのが社内の会議のためであれば
「会議費」になります。
イベント会場を借りたのが自社社員のために講師を呼んでの
研修目的であれば「研修費」になります。
イベント会場を借りたのが外部向けの自社商品の発表・売るための
ものであれば「広告宣伝費」になります。
このように、その目的によって処理する勘定科目は変わります。
(参考)売上原価、販管費に同じ科目がある場合は注意が必要
製造業などでは製造原価(売上原価)と販管費に同じ名称の勘定科目が
存在します。例えば、給与手当。
製造原価の給与手当は現場で働く人のお給料。
販管費の給与手当は営業、経理の人などのお給料です。
こういった場合などは、製造原価の給与手当か、販管費の給与手当かを
しっかり分けなければいけません。
製造原価(売上原価)の給与手当と、販管費の給与手当とでは
意味が全然違うからです。
売上原価の考え方は「売上に直接・個別に対応するもの」ですので
期末時点でまだ売れていない製品に係る現場で働く人のお給料は
当期の経費(売上原価)にはならないので、原則決算で仕掛品に
振り替えて経費から抜く必要があります。
おわりに
販管費、経費の勘定科目を分ける上で各勘定科目に意味はありますが
絶対こうしなさい、というものではありません。
使う勘定科目が普通と違う、それだけで税務調査で
経費を否認されることもありません。
なので、目安はありますが、ある程度は自社(自分)の自由です。
大事なのは自社(自分)のルール(使う勘定科目)を決めて
処理をすることだと考えます。