毎月の試算表上で損益は黒字なのに、資金繰りが苦しい、何でだろう?
といったこともあるかと思います。資産表上の損益は発生主義、
資金繰りは現金主義で把握するので若干ズレることはズレるのですが
それ以外にも原因があるかもしれないので、その原因を把握することが
大切です。
売れない在庫がある
商品等を仕入れるとお金は出ていきます。その仕入れた商品を売らないと
お金は入ってきません。売れない在庫を抱えるとお金が出るだけで
入ってこないので資金繰りは悪化します。当たり前の話ではありますが
念のため。
毎月の経理処理ですが、月末に在庫となったら在庫の管理を毎月しっかり
行い、試算表上にの在庫(棚卸資産)を反映させることです。この在庫を
試算表上に反映できないていない(毎月月末の在庫を商品等として資産に
振替えていない)とそもそも試算表の損益計算書自体が正しい数字では
ありません。
在庫に売れない在庫がある、このような状態だと正しい損益に
なっていません。例えば在庫が100円分あるとして、もう絶対売れない
ものが10円あるとします。その10円分を処分して費用処理しないと
そもそもの試算表上の損益計算書では利益が10円多い、ということに
なります。売れないのですから、その10円分は処分して費用処理すべき
です。
決算までにこの売れない在庫を処分して費用処理しとかないと
表面上は利益が多く出るので、税金でお金が出てしまい
さらに資金繰りが悪化してしまいます。
現金化できない在庫をいつまでも抱えることにメリットはないので
ササッと処分してしまいましょう。そして仕入れの際には売れ筋を
つかみ売れるものをを仕入れて売って現金化しないとどんどん
資金繰りは苦しくなります。
売掛金の回収が遅れている
売掛金の回収遅れ、資金繰り悪化原因の1つです。
損益計算書では、売上た月(納品した月など)に売上計上するので
利益にも反映されます。でも、実際の入金は例えば3ヶ月後だとすると
その間に仕入れ代金、従業員への給料など支払いはしないといけない、
利益は発生しているけど、資金繰りが悪化する、典型です。
売掛金の入金、約束通りのサイトで入金されているかのチェックは
欠かさず行い、遅れているのであればマメに連絡して早く入金して
と催促しましょう。
大会社との取り引きだと、そもそも売上てから現金化するまで
半年(売掛金の支払いは翌月だが、その支払が手形であり、
手形を現金化できるのが5ヶ月後)かかることもあります。
取り引きする前にサイトを確認して、可能であればサイトを
短くしてもらう交渉も必要です。
借入金の元金返済が多い
借入金の返済、利息部分は費用になりますが、元本部分は経費には
なりません。毎月の元本返済がその月の入出金の差額(キャッシュフロー
の利益)を上回っていれば資金繰りは当然苦しくなります。
こうなると、返済のリスケ(金融機関と交渉して毎月の返済を少なくして
もらう)を検討するか、個人的な資金投入(社長借入)・使用していない資産を
売却するなどの対応策が必要となります。
会社の状況によって対応策は変わりますので、今後の見通しも踏まえて
検討しましょう。
お金が社外流出している
社長が複数の会社を経営している場合、貸付金として別会社に
資金が流れてしまっている場合、使途不明金が多い場合、が考えられます。
使途不明金の原因の1つに生活費や遊興費など経営者個人的な支出に
充当している、ことが考えられます。経営者個人的な支出ですので
会社の経費にはなりません。経理するとすれば、貸付金・仮払金など
で処理をしいずれかは経営者に入金してもらわなければいけません。
この経営者が会社のお金を個人的な支出に充当する、昔に関わった
顧問先でそういう会社がありました。何度説明してもわかってもらえず、
最終的には私はその会社の担当から外れたのですが、最近あの会社は
まだ営業しているのだろうか、と思いネットで検索してみると、
もう出てきませんでした。どうなったかはわかりませんが、もし会社が
倒産したのなら会社のお金を個人的支払いに充当したことにより資金繰りが
悪化したことも原因の1つだと思います。
おわりに
・資金繰りは大丈夫?きちんと確認したいが時間がない
・キャッシュを増やすにはどうしたらいい?
・原価率の削減がキャッシュに与える影響を知りたい
・資金繰り管理はしたいが、事業計画・予実策定・予実管理など面倒なことはやりたくない
・経理を任せられる人がいない
・資金繰りがよくわからない
もし、上記にあてはまるようであれば、将来のキャッシュフローをウォッチして
会社にお金を残すことを目的としたサービスも行っております。
3ヶ月後・6ヶ月後・1年後の資金繰りを予測そして対策を無料相談として
行っておりますので、ご興味があれば下記のお問い合わせページより
ご連絡いただければと思います。