法人の決算の時期になりました。
3月末決算(5・6・7月末までに申告)の法人は、1年12ヶ月のうち、
一番多いです。コロナが蔓延しており大変でしょうが、
今できることを少しずつやり、その積み重ねで乗り切りましょう!
過度な節税はオススメしない
会社の決算時、利益が多く出ていて、税金を払いたくないが故、
何か節税の方法はないか?
オーナー会社の社長からよく質問されることです。
3月末決算の会社で、本日は3月16日、と仮定すると、
決算日までの日数は限られており、決算賞与を出す、
パソコンとかを新たに買って経費に入れようとする場合がほとんどです。
当然、賞与を支払う・モノを新たに購入するとお金が出ていきます。
以前から購入を検討していたものを少し早めて購入する分には
問題ないかもしれませんが、特に購入を考えていなかったものを
買うことはやめたほうがいいです。
お金が減るだけになってしまいますので。
大事なのは会社の現預金を減らさないこと
無理にお金を支払い節税するよりも、大事なのは会社のお金を
減らさないことです。利益が出ている会社であれば、その利益分の
お金は残るはずです。
一例として、決算直前に節税として500の支出をした場合を見ていきましょう。
節税なし | 節税あり | |
売上 | 10,000 | 10,000 |
経費 | 9,000 | 9,000 |
節税による支出 | 500 | |
税引前利益 | 1,000 | 500 |
税金 | 300 | 150 |
当期純利益 | 700 | 350 |
節税前では、1,000の利益で、税金の支払が300(税率は30%で計算)
1年間で700のお金が残ることとなります。
節税後では、500の利益で税金の支払が150、
節税として500の支出、1年間で350のお金しか残りません。
税金の支払は300から150(半分)になりますが、
残るお金も700から350(半分)に減ってしまいます。
決算後も会社は続いていきますので、資金繰りが苦しくなります。
利益が出れば税金を払ってもお金は残る
利益が出る、ということは素晴らしいことです。
経営者の大部分の方々は、利益を出すことを目標に事業を
営んでいることでしょう。税金の支払だけに目がいってしまい
この大事は利益を食い潰してほしくはないです。
決算での損益計算書は、1年間の業績です。
利益が出ていて、売掛金の回収が滞りなくできていれば
税金分のお金は残っているはずです。
お金が残っていないならば、必ず原因はあります。
例としては、売掛金の入金が遅い(入ってこない)、横領された
などが考えられます。横領は極端ですが・・・
お金の流れを見直す必要があります。
節税するなら計画的にやる
節税は、計画的にやるべきです。
決算間近で急にやるのではなく、その期がはじまる前に検討するのが
いいでしょう。そのためには、その期の損益・資金繰りの予測が
必要です。今回のようにコロナ蔓延のため、その期は赤字見込みで
あれば節税は考える必要は当然ありません。
黒字見込みで、資金繰りに問題なさそう、であればお金がまわる
範囲内での節税を検討しましょう。
節税の一例として、経営セーフティー共済による節税があります。
過去のブログでその事を書いていますのでリンクを貼っときます。
参考にしていただければと思います。
おわりに
無理に節税をして、結果赤字となり税金の支払は地方税の均等割と
消費税だけだったとします。その後、設備投資等で急にまとまっとお金が
必要となり金融機関に融資をお願いしたが、前期が赤字なので
断れた、こういったこともあります。
税金の支払はイヤな人は多いと思います。
しかし、そのことだけを考えずに、会社・事業全体に目を向けましょう。